2026.04.30【コラボ事例】

JR東海「推し旅」×『呪術廻戦』第3弾、名古屋で展開。ご当地グルメとの掛け合わせで「移動の動機」を創出

JR東海が展開するコンテンツコラボレーション施策「推し旅」と、人気TVアニメ『呪術廻戦』による第3弾コラボ企画「じゅじゅ探訪 in 名古屋」が、2026年5月22日(金)よりスタートする。今回はジェイアール東海フードサービス株式会社が運営するJR名古屋駅構内の飲食店が参加。名古屋名物の「きしめん」や「海老フライ」をキャラクターの好物やイメージカラーと掛け合わせた限定メニューを展開するほか、新幹線利用者向けの限定ノベルティ配布など、鉄道事業ならではの「O2O(Online to Offline)」施策を強化している。

「じゅじゅ探訪 in 名古屋」オリジナルイラスト(イメージ)© 芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

■キャラクターの「属性」と「地域資源」をシームレスに接続

本施策の核心は、単なるキャラクターの絵を載せた「キャラ弁」的な展開に留まらず、キャラクターのストーリー(好物など)と地域の名産品を論理的に結びつけている点にある。

例えば、名古屋駅構内の「驛釜(えきかま)きしめん 太閤通り」では、主人公・虎杖悠仁(いたどり ゆうじ)の好物が麺類であることに着目。名古屋名物・きしめんに、彼のイメージカラーである「オレンジ色」をピリ辛の担々スープで表現した「じゅじゅ探訪オリジナル 担々きしめん『橙(だいだい)』」を開発した。

また、「キッチンなごや 太閤通り」では、同じく虎杖の好物である「丼もの」と、名古屋名物「海老フライ」を組み合わせた「海老フライ丼」を提供。視覚的にもインパクトのある「真っ黒な味噌(竹炭を配合)」を使用するなど、ファンの「体験」としての価値を高めている。

【驛釜きしめん 太閤通り】じゅじゅ探訪オリジナル 担々きしめん「橙(だいだい)」 1,650円
【キッチンなごや 太閤通り】じゅじゅ探訪オリジナル 海老フライ丼 1,800円

■「移動」そのものをコンテンツ化する、新幹線連動のインセンティブ設計

マーケティング担当者が注目すべきは、JR東海の「EXサービス」を利用した「乗車特典」の仕組みだ。

「名古屋・驛麺(えきめん)通り」の対象店舗では、ラーメンを注文した際に「EXご利用票」を提示することで、限定のオリジナルステッカーが配布される。これは、「作品のファンであること」と「実際に新幹線で名古屋を訪れたこと」の双方を条件とすることで、IP(知的財産)の集客力を直接的な鉄道利用促進へと繋げる設計となっている。

さらに、新幹線車内限定のオリジナルボイスドラマやクイズコンテンツを配信。移動時間そのものを「イベントの序章」として演出することで、目的地(名古屋)への期待感を醸成し、旅行体験の満足度を底上げする工夫がなされている。

■なぜ今、鉄道会社が「アニメ」に注力するのか?

『呪術廻戦』は、全世界シリーズ累計発行部数1.5億部を突破し、幅広い層(特に10代〜30代)に絶大な影響力を持つ。こうしたメガヒットIPを活用した「推し旅」キャンペーンは、従来の観光PRではリーチしにくかった若年層に対し、「聖地巡礼」や「限定体験」という強い来訪動機を提供できる。

特に名古屋は「通過点」になりやすい立地だが、駅構内の「名古屋めし」という強力な食文化とIPを融合させることで、短時間の滞在でも高い単価(客単価1,500円〜2,000円台のコラボメニュー)を維持しつつ、周辺店舗への回遊性を高めることが期待される。


【開催概要】

  • 企画名: JR東海×『呪術廻戦』第3弾コラボ企画「じゅじゅ探訪 in 名古屋」
  • 開催期間: 2026年5月22日(金)~8月3日(月)
  • 実施エリア: JR名古屋駅「名古屋うまいもん通り」各店舗、名古屋市内各所
  • 参加店舗: 驛釜きしめん、キッチンなごや、名古屋・驛麺通り(全6店舗)ほか
  • 公式サイト: JR東海「推し旅」キャンペーンサイト

本コラボは、JR東海が、いかにして「移動」という自社インフラに「IPの熱狂」を組み込むかという好例である。特に、新幹線の予約・乗車履歴を活用したデジタルスタンプラリーやノベルティ配布は、施策の効果測定を明確にするだけでなく、転売対策や「本気度の高いファン」の絞り込みにも寄与している。地域活性化と輸送需要創出を両立させる「コンテンツ・ツーリズム」の進化形といえるだろう。

(文/アニもの編集部)

©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会


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